🎧 行政書士試験 憲法講義 第4講:違憲審査権とは?裁判所の役割と憲法が守る「最後の砦」をわかりやすく解説

生涯学習

「裁判所の役割って、ドラマで見るような裁判以外に何があるの?」

そんな疑問を持ったことはありませんか? 実は裁判所には、私たちの自由や権利を守るための、もう一つの非常に重要な顔があります。それが、国会が作った法律でさえ「NO」を突きつけることができる「違憲審査権」です。

この記事では、憲法の番人としての裁判所の役割について、なぜその権限が必要なのか、そしてどんな仕組みで使われるのかを、図解も交えて分かりやすく解説していきます。

その法律、大丈夫?

憲法が裁判所に託した「最後の砦」としての役割

裁判所が持つ「最強のカード」とは?

「三権分立」の一角を担う裁判所。その役割は、単に争いを解決するだけではありません。実は、私たちの自由や権利を守るため、極めて重大な任務が与えられています。

それが、裁判所が持つ「最強のカード」— 違憲審査権(いけんしんさけん)です。

違憲審査権とは?

国会が作った法律や、内閣が出した命令が、国の最高法規である憲法に違反していないかを厳しくチェックし、最終的な判断を下す権限のことです。

この権限の根拠は、憲法第81条にハッキリと書かれています。

憲法第81条
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

なぜ裁判所に強い権限が必要なのか?

「選挙で選ばれた国会の決定を、なぜ裁判所が覆せるの?」— もっともな疑問です。その答えは、「立憲主義」という考え方にあります。

これは、「どんな権力者も憲法というルールには絶対に従わなければならない」という大原則です。多数派の意見であっても、個人の人権を侵害することは許されない。そのための究極のブレーキ役、最後の砦として、裁判所の違憲審査権が必要不可欠なのです。

違憲審査権は「いつ」「どうやって」使われる?

裁判所は、新しい法律ができるたびにパトロールをするわけではありません。日本の制度では、違憲審査は具体的な裁判の中で、事件解決に付随して行われます。これを「付随的審査制」と呼びます。

【違憲審査が行われるまでの流れ】

1. 権利を侵害された
Aさんがいる

2. Aさんが国などを
相手に裁判を起こす

3. 裁判の中で
法律の違憲性を審査

このように、あくまで現実の紛争解決の過程で憲法判断を下すことで、司法の中立性を保っているのです。

結論:裁判所は人権を守る「最後の砦」

裁判所とは、国が定めたルールそのものが、私たち一人ひとりの尊厳をちゃんと守るものかを見張る、憲法の番人。多数決で決まったことに「NO」を突きつけられるこの仕組みこそ、人権を守る「最後の砦」なのです。

次回予告:国会ってどんな仕事をしているの?

立法とチェックの力について、詳しく見ていきましょう!

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